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糖尿病患者の炭水化物ダイエットのリスクとビグアナイト薬(メトグルコ) [糖尿病]

さて、昨今は炭水化物ダイエットなるダイエット方法が効果的とよく聞きますが、2型糖尿病の人 がやってもいいダイエット方法なのでしょうか?

健常者ならば、血糖値の上昇に対して、膵臓(すい臓)から分泌されるインスリンが働き、ブドウ
糖は細胞へ取り込まれます。

ブドウ糖が細胞に取り込まれれば、血液中のブドウ糖濃度は下がり血糖値の過度の上昇は起
きません。

しかし、糖尿病患者はインスリンの分泌が悪かったり、インスリンの効果が出にくいなどのため
に血糖値のコントロールがうまくっていない状態です。

そこで、血糖値を上昇させてしまう炭水化物のを減らした食事をすることによって、血糖値の
急上昇を抑える効果があるそれならば低炭水化物食にすれば血糖値が上がらないと考えて
たくなるのは自分も含め無理はありません。



人体は活動するためには必ずエネルギーが必要です。
エネルギーはタンパク質や炭水化物、脂質です。

(理想的なバランスはたんぱく質:脂質:炭水化物=15:25:60)





人間に必要なエネルギーのうち約60%は糖質です。そのうち70%は脳で消費されます。



ちょっと脱線しますが、最近朝専用の缶コーヒーが売り出されていますがあればコーヒーの
味をそこなわず糖分が多く入っているのです。

また、栄養ドリンクを飲むと急にシャキッとした感じがするのは栄養ドリンクのうたい文句の
成分が効いたのでなく糖分が脳に回り目が覚めるのです。


さて、元に戻って



では、炭水化物を極端に制限するとどうなるでしょう。



ひとことで言えば

「生命を維持する必要な糖分が足りなくなる」

ということです。


簡単にいうと

炭水化物から得ていた糖分を補うために人体は筋肉を分解してアミノ酸に変化させ、
エネルギーとして消費を始めます。

そのため、筋肉量が減ります。痩せているのでなく筋肉を落としているのです。


糖分を補うために筋肉を分解してアミノ酸に変化させエネルギーにすることを糖新生
といいます。


前にも書きましたが、糖尿病患者はインスリンの分泌が悪かったり、インスリンの効果が
出にくいなどのために血糖値のコントロールがうまくっていません。


そのような体で



糖新生が起こるとケトン体という酸性物質を発生させて体の中に乳酸を増やすことになります。

そこで血液中のPHバランスが崩れて血液が酸性になり最悪昏睡状態に陥る危険があります。

乳酸が増えることによるアシドーシスを「乳酸アシドーシス」と言い、糖尿病患者の場合、
糖尿病性ケトアシドーシスという重篤な状況に陥るリスクが一気に高まってしまいます。



この乳酸からの糖新生を抑制するのがビグアナイト薬(メトグルコ)というお薬です。

以前はメルビンという名前で処方されていましたが、メルビンは1日の摂取量の上限が欧米
に比べて低く日本でも欧米並みの処方ができるようにすることが望まれていました。

しかし、国の認可を変更するには時間がかかるため同じ薬で国の承認を得たメトグルコとい
う薬が大日本住友製薬から発売され現在は日本でも1日の処方量が欧米並みになった経緯
のある薬です。


この薬は

インスリンに対する感受性を高め、おもに肝臓での糖分の生成を抑えることで血糖を下げると
ともに肝臓での糖新生抑制、末梢での糖利用促進、腸管からの糖吸収抑制の3つの作用に
より血糖を下げます。

これらは膵外作用つまりインスリンに頼らず血糖値のコントロールに作用する
効能のある薬です。


筋肉、脂肪組織など末梢での糖分の利用を促進したり、小腸での糖分の吸収が抑制効果
もあります。

したがって、インスリンを分泌を促すSU薬とともに服用する
ことができます。

私はアマリールとともにこの薬を処方されています。

私の場合は2型糖尿病でBMIはまだ26%と痩せないといけませんが炭水化物ダイエット
だけはこのビグアナイト薬を処方されたときネットで調べて「糖新生」という体の機能とリスク
を勉強したので行ったことはありません。

毎晩、夕食後にかみさんと30-40分のウォーキングを欠かさずやっています。

私が実施している日頃の健康管理のため血圧と朝一番の自己血糖測定お勧めします。


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コメント 1

ぷっちんプリン

こんばんは。大変勉強されていて凄いですね。さて糖新生についてですが炭水化物を断つと確かに脂肪 →タンパク質 の順に消費される事になり結果的に痩せる事になります。それでは体力が落ちて寧ろ危険では無いかと言うとそうではありません。仰っているような事態は絶食時に起こる糖新生で炭水化物以外を抑制していない摂食活動をされている場合と同じものではありません。現在実行されている対処法でも何れ寛解されるかも知れませんが短期間に完治する方法なのにも関わらずちょっとした勘違いで唾棄されるのは勿体無い話だと思います。
by ぷっちんプリン (2015-01-16 02:44) 

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